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ブルームーン

ここでは小米雪の普段の生活で気になるお話をエッセイ形式で書き記していきますw
No  102

kiss?手の上に尊敬のキスを?8

ついに明日で学校が冬休みに入ります……
雪の恋愛も小説みたいに明日一日で何かあればいいんですが、現実は中々厳しいようで229
唯、好きな人ができるとなんとなく当たり前のことが楽しいなぁ?と実感しています179
さてさて、今日も小説UPしますw
上手くまとまるのか心配になってきました……

この小説は「kiss?手の上に尊敬のキスを?」      の続きになりますw


「kiss?手の上に尊敬のキスを?8」


 その恐怖から逃げて、逃げて、逃げて……気がつけばアンバーは今の場所に立っていた。

 お互いの国をわける門を見ただけでも分かる、アルデバランとリゲルの違い。

 それは子供ながらにして、羨ましいものだった。

 アンバーは意を決して門へと足を進めた。
 後一歩……後一歩でアルデバランへと入れる……
「……様! お待ち下さい!」
 アンバーが今ついにアルデバランへと足を踏み入れようとした時、辺りには場違いな声が響いた。
 何事だ? アンバーが声の方を見ると、オレンジ色の髪をした少女が国境の門を越えようとしていた。その一見ありえない光景にアンバーは目を見開いたが、門の前に立つ兵や周りにいた者たちは皆クスクスと笑いを浮かべるだけで、誰一人焦りを見せたものはいなかった。

「ていや!」
 
ふと門に登っていた少女が幼い声をあげる。それと同時に少女は三メートルはあるであろう門からふわりと飛び降りていた。

「うわっ!」
 アンバーは驚きのあまり後ろへとひっくり返った。
「あっ! ごめん! 驚かせた?」

 少女はアンバーの前にスタッと着地すると、アンバーに手を差し伸べた。

「お待ち下さい! 姫様!」
「きゃー! 鬼が来たー!」

 先ほどと同じ少年の声が聞こえると、そのオレンジの少女はアンバーの後ろに隠れた。
 それとほぼ同時に、少年もまたスタッと門から飛び降り着地を見せた。
 一体なんなのだ? 
 アンバーはぼんやりと立ち尽くし、唯自分の背中に隠れる少女と、肩で息をしながらその少女を追いかける少年を見ていた。
「姫様……いい……加減に……してください」

 少年はよほどの疲れているのか、言葉が不自然に所々途切れていた。

「アハハハー! ホルダーったら、だらしないわね。鬼が追いつかないと鬼ごっこにならないじゃない」

 少女はそんな少年をカラッとした声で笑って見せる。
「大体……鬼ごっこではありません。家庭教師の先生がいらしたのでお勉強のお時間だと申し上げた筈です」

 ホルダーと呼ばれた少女より少し年上であろう少年は目を吊り上げてそう言ったが、その目には何所か優しさが溢れていた。
「あの……」

 アンバーはその場のよく分からない雰囲気にたまらなくなり、開けっ放しだった口から声を出した。

「あっ!」
 少年も少女も、アンバーの存在を忘れていたようで、アンバーの声に少年が、
「驚かせてしまい申し訳ございません」
 と頭を下げ、少女が、
「ごめんねー。びっくりした?」
 と笑って見せた。
「いえ……あの、あなた方は一体?」

 アンバーは空から飛んできた二人の者たちを改めて見つめた。
「私? 私ねースバル!」
 少女はそう言うとニッコリと笑いアンバーに手を差し出した。アンバーはその屈託のない笑みに、思わず顔を赤めて自分も手を差し出した。

「姫様! 申し訳ございません。私達はアルデバランの者でございます」

 少年――ホルダーはスバルの行動に苦笑いを浮かべながら、再び頭を下げた。

「あなたは?」

 スバルの手を握ったままボーっとしていたアンバーにスバルはそう尋ねた。

「俺は……アンバー」

「アンバー?」

 小さな声で名前を告げたアンバーに聞き返しながらスバルは再び微笑んだ。

「ええ」

「そう! アンバー一緒に遊ぶ?」

「姫様! ここはリゲルの領土だと何度言ったら分かるのですか!」

 ホルダーは今にも走り出していってしまいそうなスバルに困ったような声をあげた。

「私はここで遊びたいのよ」

 スバルはキャッキャと声をあげながらそう答える。

「姫様?」

 アンバーは先ほどから幾度と無く出てきていた聞きなれた単語をホルダーに尋ねた。

「えっ? あぁ、はい。スバル様はアルデバランの王のご令嬢なのですよ」

 ホルダーは困ったように頭をかいてそう言った。その言葉にアンバーはまた目を丸くした。

 王の娘? この自由奔放に何も考えていないような少女が?

 その瞬間目の前で何不自由なく笑う少女が急に憎らしく思えた。

「アンバー? 如何したの? スバルと遊ばないの?」

 スバルは急に黙り込んだアンバーの鼻を小さな手でペチペチと叩きながら不思議そうに顔を覗きこんできた。

「……触るな!」

 アンバーはスバルやホルダーだけでなく周りの者達の動きが一瞬止まるような声でそう怒鳴った。

「俺は……リゲル国、第二王子。無礼を働くことは許さない」

 自分でも何故こんな言葉が口を出たのか分からなかった。唯、目の前の少女が姫であると知り、行き場のない怒りが口を劈いたのだ。

「王子様なの?」

 スバルは怒鳴っているアンバーをきょとんとした表情で見るとそう言った。その声からスバルがアンバーを怖がっている様子は伺えなかった。

「姫様!」

 スバルの行動にホルダーが制止をかけるが、スバルは聞こえなかったふりをしてアンバーに話しかける。

「ねぇ、アンバーは王子なの?」

「……あぁ」

 アンバーは自分とスバルの温度差を感じ少しふて腐れながらそう答えた。

「そう……」

 スバルはそう呟き、少し考えると、

「じゃあ、スバルとお揃いね!」

 とまた微笑んだ。

 その言葉にホルダーはまた困ったように苦笑いをした。

 あれだけ怒鳴りつけたというのに、それでもまだ笑みを浮かべるこの少女をアンバーは信じられなかった。それと同時に、アンバーの中にスバルに対するなんとも言えない感情が広がったのが分かった。

「あのね、アンバー。お姫様と王子様は幸せになるのよ! だから、アンバーもそんな顔してないでスバルと幸せになろう?」

 スバルはアンバーの手をとって走り出した。先程までアンバーが入ることをあれだけためらっていたアルデバランの領土の方へと。 

 

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この記事のコメント

No.263
なんて 素敵にアルデバラン・・・・

昔読んだ 幼女コミックをおもいだしましたw
子供ながらに 男は 自分の地位に
しばらるる~・・・
2007-12-22 Sat 02:47 | URL | ヨヨ子 #-[ 内容変更]

No.264 ヨヨ子さんへ
いい国つくろう アルデバラン……笑

雪は未だに少女漫画大好きですよ~^^
アンバーは地位に縛り付けられて育ってきたので、こんな風になってしまったのかとw
2007-12-22 Sat 23:40 | URL | 小米雪 #2zzHlsOw[ 内容変更]

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