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ブルームーン kiss―手の上に尊敬のキスを―9
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ブルームーン

ここでは小米雪の普段の生活で気になるお話をエッセイ形式で書き記していきますw
No  110

kiss―手の上に尊敬のキスを―9

冬休みに入りました?^^
レポートはありますが、取り急ぎではないく、冬休みの間にぼちぼち仕上げていけばいいので、まだ楽です^^;
ただ今、今年は色々あったなぁ?と思いながら、小説を書いておりますw
せめてこのシリーズだけでも、今年中に終わらせたいんですが……

『kiss―手の上に尊敬のキスを―9』

この小説は「kiss?手の上に尊敬のキスを?」       の続きになりますw

「ここがねー、スバルの家なのー」
 スバルはニコニコとしながらアンバーを王宮まで引っぱってきた。少しだけ後ろを歩くホルダーも困った顔はしているが怒ってはいないようだ。
 というよりも、この国はこれでいいのか?
 他国の王子である自分をこんなに簡単に王宮に連れてきて……

 アンバーは離してもらえそうに無い手を見ながら、一人首を傾げた。

「スバルー!」
 ホルダーが扉に手をかけようとした途端、王宮の扉が独りでに(?)開いた。
「あっ! お父さん!」
 スバルの言葉にアンバーは更に目を丸くした。
 他国の者をいとも簡単に王宮に招き入れるだけでなく、王がそこらへんをウロウロとしているのか? 

 ちなみにタウリの登場でドアに頭を打ちつけてしまったホルダーの心配は誰一人していない。
「スバルー!」
 タウリはそう言うと、ヘラヘラと笑うスバルを抱きしめた。スバルはタウリに抱きしめられてもアンバーの手を離そうとしないので、アンバーも必然的にタウリにくっ付く形になってしまった。

「王様! またサボってこられたんですか?」

 おでこを摩りながらホルダーは尋ねるが、タウリは明後日の方向を向いてその質問に答えようとはしなかった。その仕草にホルダーは、不真面目なのはこの親子の血統だと苦笑いを浮かべた。

「あの……」

 アンバーは他国の王にくっ付いているという居心地の悪さに声をあげた。

 他国の王、というより自分自身の父親にすらこんなに近づいたことは無いかもしれない。

「おや? スバル、この子は誰だ?」

 タウリは声をあげたアンバーにやっと気がついたのか、腕の中にいるわが子に尋ねる。

「あのねー、アンバーだってー。リゲルの王子様なの!」

 スバルはニコニコと答えた。スバルの言葉にタウリは、

「何だと! リゲルの?」

 と険しい顔を見せた。アンバーは、タウリの顔つきに、怒鳴られる気がして首を窄めたが、

「そうか、そうか! よく来たな!」

 アンバーの予想に反して、タウリはアンバーの頭をグチャグチャにしながら撫ぜ始めた、

「王様!」

 さすがにそれは……と思い、ホルダーが止めに入るが、タウリの横ではスバルが盛大に笑い声をあげており、ホルダーの声は空中に消えて行った。

「まぁまぁ、入れ入れー! よし! パーティを開くぞー」

 タウリが中に向かって、声をかけると王宮の使用人たちがおぉーと楽しそうな声をあげた。

 アンバーは自国との違いに唯戸惑うしかなかった。

 

 タウリの一言で、王宮には沢山の料理や人が集まり、皆にこやかに会話を楽しんでいる。

 アンバーはもう笑うしかなく、ヘラヘラと料理を片手に笑っていた。その間もアルデバランの大人たちが話しかけてきては、頭を撫ぜていく。その仕草はアンバーにとって気持ちのいいものであった。

 自分は生まれてから、親にこんな風に撫ぜてもらったことがあっただろうか?

 答えは否。親から与えられるものはプレッシャーであり、安らぎではなかった。

 ふぅと息を漏らせば、自分よりも少しだけ高い場所から、

「お疲れですか?」

 と声が聞こえた。

「えっとあなたは……」

「ホルダーです。申し訳ございません。こんなことに巻き込んでしまって」

 ホルダーはグラスに入ったジュースをアンバーに渡しながら、また困ったような表情をした。この表情も彼にとって癖の一つになっている。

「いや、楽しませてもらってます」

 アンバーはそれだけ言うと、グラスに口をつけた。

「姫様が先ほど言われた言葉を覚えていらっしゃいますか?」

 ホルダーはポツリと呟く。

「さっき?」

「ええ。一緒に幸せになろうと仰ってました」

 アンバーはあぁと頷いた。

「あの言葉は以前私にもくださいました」

「あなたにも?」

「はい。私には親がありません。というより、自分自身が何ものなのか分からないのです。そんな私を王様や姫様は家族同然に可愛がってくれています」

 黙々と話すホルダーにアンバーは少し同情の眼差しをむけた。

「そんな顔をしないで下さい。私は今幸せです。……この国は平和です、本当に」

「見てれば分かる」

 アンバーの答えにホルダーは優しく微笑む。

「食べ物や財があふれていることも勿論幸せに繋がります。でも、王様や姫様は少し前に訪れた貧困の時代ですら笑ってらっしゃいました。私はそれが一番平和で幸せなことだと認識しております」

「あぁ。見ていれば分かる」

 アンバーは先ほどとは少し違いゆっくりとした声でそう返事を返した。

「アンバー!」

 その声にホルダーはクスリと笑い声をあげた。前方からはスバルが凄い勢いで走っている。

「あのねーあっちに凄い綺麗な木があるの! 登りにいこー!」

 スバルはアンバーの手を引きながらそう言った。

「姫様、そこは普通見に行こうって誘うものですよ!」

 ホルダーが苦笑いを浮かべながらそういうが、スバルは聞かずズンズンとアンバーを引っぱっていってしまった。

「ほら、これよ!」

 スバルは桜の木の前でそう言った。

「これは?」

 アンバーは始めてみる桜に首を傾げるが、

「分かんない。でも、綺麗でしょ?」

 スバルはそう言って笑った。

 アンバーは目を丸くして、笑っているスバルを見つめた。

 あぁ、俺は今は幸せなのか……

「綺麗なもの見るとね、素敵に笑えるのよ」

 スバルはそう言うと、もう一度アンバーに微笑む。そのなんの紛れも無い笑みを見ながら、その言葉に賛同した。

 本当に、綺麗なものを見ると笑顔になるみたいだ。

 

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