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ブルームーン kiss―手の上に尊敬のキスを―
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ブルームーン

ここでは小米雪の普段の生活で気になるお話をエッセイ形式で書き記していきますw
No  112

kiss―手の上に尊敬のキスを―

皆様、2007年は大変お世話になりましたw
2007年も残すところ後4時間くらいですね^^
結局、今年中に小説を終わらせようという目標も達成できぬまま、2007年は去っていきそうです^^;

ではでは、今年最後の小説のUPをしたいと思いますw


『kiss―手の上に尊敬のキスを―10』

この小説は「kiss?手の上に尊敬のキスを?」
        の続きになりますw


「お疲れですか?」

 長い間昔のことを考えていて、桜の木にもたれていたことに気がついた。ふと前を見ると、幼き日のホルダーではなく、きちんと成長した青年がワインの入ったグラスを持って、微笑んでいるのが分かる。

「覚えていたのか?」

 アンバーはグラスを受け取りながら、そう言った。

「姫様と違い、私はそこまで幼くなかったですから」

 ホルダーはそう言うと、アンバーをまじまじと見つめた。

「大きくなられましたね。あの後、姫様が眠られて、離れたくないというあなたを、あなたのお母様が連れて行かれたのが懐かしいです」

「そうだったな……。俺は、本当に離れたくなかったんだ」

 アンバーは苦々しい顔をしてそう言った。

「そうですね。この空間は離れにくくなりますから」

 ホルダーはアンバーに微笑んだ。

「お前はずるいぞ! 俺だって本当はお前みたいに、あの人の側にいたいのに……」

 アンバーは小さくそう呟きグラスのワインを一気に飲み込んだ。

「あの方は本当に愛されている方ですので」

 ホルダーはそう言うと目を細めた。本当に愛おしいものの話をするように。
「だから、お前はずるいんだ……」

「えっ?」

「何でもない。なぁ、ホルダーはあの人を好きなのだろう?」

 アンバーは少し酔いのまわった頭でそう尋ねた。

「さぁ……」

 ホルダーははぐらかすように笑った。

「おいっ!」

「親が誰かも分からない使用人が、姫様と如何にかなれると? あの人を好きか如何かなんて……愚問でしかありません」

 ホルダーは少し辛そうにそう言った。

「そういえば、そうだったな……。だが、あの国王がそんなことを気にするとは思えない」

「王様が気にしなくても私が気にします」

「損な性格だな」

「そうですね。でも……」

「でも?」

 急に言葉を濁したホルダーにアンバーは視線を合わせた。

「姫様が一番幸せになれる方法ならば、私はそれを望みます。例え相手がどんな者であろうと」

 ホルダーはそう言うと少し照れたように顔を赤らめた。

「全く、ホルダーには何時も敵わない」

 アンバーは何かを思い出したかのように笑った。

――守りたければ、強くなくてはいけません。泣き言を言っている時点で失格ですよ。

 あの時、スバルの側を離れないと泣き喚いていたアンバーにそう告げたのはホルダーだった。

 あの時も、今日もホルダーは自分よりも先を歩いていた。それは、歳や経験で身につく何かではなく根本的な部分のものであり、自分はいつもこの男には負けていると思い知らされるのだ。

「お前に勝っていることは、この忌まわしい家柄くらいだ」

 アンバーはホルダーに聞こえるか聞こえないかの声でそういった。

 例え、これがどんなに卑怯な方法であれ、この家柄しか武器が無いのなら、俺はそれを使うことも躊躇わない。

「好きならば、何も考えず素直になることだ。そうしなければ――」

「えっ?」

 ホルダーは不思議そうにアンバーを見た。

 アンバーはニヤリと笑うと何も言わず、いつの間にか迎えに来ていた車へと乗り込んだ。

 ――欲しいものなどすぐになくなってしまうぞ?

 ホルダーはアンバーを乗せた車が小さくなっていくのを見ながら唯呆然と立ち尽くした。

 

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