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ここでは小米雪の普段の生活で気になるお話をエッセイ形式で書き記していきますw
No  160

人形姫のエゴ

この記事は「人魚姫のエゴ」の続きになります。

人魚姫が泡になり消えたことを王子は結局知らないのだろう。
お伽話はいつも無の状態から有に変わっていく。言い方が難しいかもしれないが、シンデレラなんかは何も持っていない少女が一国のお姫様になった訳である。しかし、人魚姫は、有の状態から無になったのである。
元々、姫として海で暮らしていた彼女が全てを捨てて、王子を選んだが結局それすらも失う。
富や名誉だけでなく、体の形すらもなくなり無になったのだ。
人魚姫は何故あの結末を選んだのだろう。
いや、前回も書いたが、彼女にとって王子を殺すことは死ぬよりも辛い結末だったのだからといわれてしまえばそれまでだ。
しかし、雪は少しだけ思うのだ。
あれは人魚姫自身のエゴではないかと。
王子が別に彼女が消えることを望んだ訳ではない。(勿論殺されることを望んでいる訳ではないが)
そして、人魚姫の姉妹たちも彼女に短剣を渡してまで、彼女が生きることを望んでいた。
それでも彼女は死という選択肢を選ぶのだ。
皆さんは自分が一番好きな人に何を望むだろうか。
一緒にいること? 自分を愛してもらうこと? それとも……
雪の想像でしかないが、彼女は王子様に綺麗なままで覚えていてもらうことを望んだのではないかと思う。
彼女は誰にも知られずに泡になることで、 王子の中で人魚姫は昔少しだけ一緒に暮らした、不思議な雰囲気の女の子として残ることができるのだ。
愛情というのは最も綺麗で最も醜い感情ではないだろうかと雪は思う。
人を愛することで嫉妬心や今までの自分では考え付かなかったような新しい自分が生まれる。
そんな一面を王子に見せることなく彼女は消えてしまいたかったのかも知れないなぁと思った。
彼女が消えてしまったことを知らない王子は、日常生活のひょんなことで彼女を思い出して、ゆっくりと語るのかもしれない。
昔こんな不思議な子がいたんだよ、と。
悲しむことも、辛くなることもなく、王子は少し楽しそうにその話をすることができる。
そんなことを考えていると、少し人魚姫が羨ましくなった。
愛する人を苦しめることもなく、自分の命をかけて彼を救ったという事実。
誰かがその事実を知っている訳でも、誰かが感謝してくれる訳でもないが、消えて行った彼女にとってそれは一番重要な事実だ。
自己満足だと言ってしまえばそうなのだが、唯消えて泡になることが、全てを失うことが王子のためであると思うだけで彼女はたまらなく幸せだったのではないかと思った。
それを考えると彼女は他のお姫様と同じくらい幸せだったんではないかと思う。
王子を愛し、彼のために消えることができて。
例えそれが、どんなに切ない結末でも……

人魚姫のエゴ・完
 


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