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ブルームーン kiss?手の上に尊敬のキスを?15
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ブルームーン

ここでは小米雪の普段の生活で気になるお話をエッセイ形式で書き記していきますw
No  185

kiss?手の上に尊敬のキスを?15

物凄く久しぶりに小説をUPします。最近如何もサボり気味で……229

この小説は「kiss?手の上に尊敬のキスを?」
         10 11 12 13 14の続きになりますw

『kiss?手の上に尊敬のキスを?15』

 


 恋か……。何処かの誰かが言っていた。恋という字は変に似ている。
 そうね、むしろ今の自分は恋しているというよりも変だと言ったほうが正しい気がする。
 スバルはそんな意味のないことを考えながら一人王宮の廊下を歩いていた。
 ホルダーが、今日からリゲルの現地視察に行っていることは母コルより聞いている。とは言っても自分にはホルダーの様に仕事があるわけでもないので、簡単な話退屈である。退屈などとは言ってられない立場であるのは重々承知しているのだが、それでも何をしていいのかわからないので、やはり退屈なのである。

「何時から私はこんな風になったのかしら?」

 頭にぐるぐる回るのは自分の手の甲にキスをして行ったアンバーの銀色でも、自分を諭すように言葉を語る母の金色でもなかった。そこにあるのは幼き日から共に過ごした茶色がかった黒であった。

 一体何日会っていないだろう? 

 スバルがホルダーと過ごさない日が、もう直ぐ片手では数え切れないほどになってきているのだ。

 あなたはどんな顔をしてたかしら。あなたはどんな声をしてたかしら。あなたはどんな人だったかしら……――

 日ごとに薄れていくホルダーの印象とは別に、自分の気持ちは加速していくのを感じた。会えない日々が想いを育てるというのならば、もう直ぐ花でも咲きそうだ。

「お父様? いらっしゃる?」

 何となく、本当に何となくだ。歩いてくるとそこは父の職場である部屋だった。

「ん? 如何した? お前がここに来るなんて珍しいではないか」

 タウリはペンを走らせていた手を止めて、ドアから顔を出すスバルを見た。

「んー、別に用事があったわけではないのよ。唯、何て言うのかしら……何となく?」
「はっきりとしない奴だ」

 タウリは笑いながらそう言うと、スバルに一枚の紙を見せた。

「何それ?」

 スバルが覗き込むと、それは見慣れた字体で書かれているのは一枚の転任届であった。少し荒々しい癖のある字は勿論ホルダーのものである。

「これをコルから預かっている」

「お母様から?」

「あぁ。あいつと結婚してもう直ぐ二十年になるが、未だにあいつのやることが全部わかるとは言えないよ」

「それにしても、一体如何して? お母様がホルダーの転任届なんて」

「さあな。よくは分からないが、何でもこれは賭けの戦利品らしい。あいつは昔から勘がやたらと鋭くてな。賭け事に負けたことは一度もないんだ、これが。」
 タウリは呆れたように溜息を吐くと、視線を紙からスバルに戻した。

「お父様は私に如何して欲しいの?」

 スバルは少しの沈黙の後、そう言葉を吐き出した。

「私はお前の選択に従おうと思っているさ」

「本当かしら?」

「あぁ」

「だったら如何して? 私の婚約パーティにアンバーを王子を? 私に彼と婚姻を結んで欲しいと思っているからでは?」

 スバルは口調は淡々としていたが、その視線は鋭く怒りを表しているようにも思えた。

「そんなことはないさ。唯……」

「唯?」

「選択肢は多い方がいいだろう?」

「……それは誰のことを言っているのかしら?」

「さあな」

 タウリははぐらかすようにそれだけ言うとまた書類にペンを走らせた。その行動がこれ以上は語らないと言われている様で、スバルは軽く息を吐くと踵を返した。

 

「初めまして。ホルダー王佐」

 アポロンがどこかに行ってしまった為に、ホルダーは暫くの間窓から雨を眺めていた。シトシトとは冗談にも言えないような激しい雨である。そんな雨の音に足跡を消されたのか、男は気がつけばホルダーのすぐ後ろへと立っていた。

「あっ! 申し訳ない。少しぼんやりとしていたのです。……あなたは?」

 ホルダーは慌ててそう言うと、初めて会うアンバーと似たような髪の色をした男を眺めた。男の髪は銀ではあるのだが、アンバーのように綺麗な銀というわけではなく、どちらかといえばもう少し黒味がかっており灰色と言った方がしっくり来る気がした。

 あぁ、この人か……。

 勿論この男を見るのは初めてであるのだが、好戦的な目に特徴的な鷲鼻はまだホルダーの記憶に新しい。パッと見た印象が先ほどのリゲル王であるアポロンにそっくりである。

 聞かなくてもわかる。この男がリゲル第一王子であり、アンバーの兄であるのだ。

「初めまして。私はシェロと言います。リゲルの王子です」

 ニッコリと微笑みながら手を差し出すシェロにホルダーは戸惑いつつ、その手を掴んだ。

 如何と問われると答えられないが、その笑み自体どこかきな臭いものを感じたのだ。

「ホルダーです。アルデバランから現地視察をと――」

「お話は伺ってますよ」

 見かけの愛想は抜群にいい。しかし、どうも好きにはなれそうにない。ホルダーはシェロの第一印象からそう感じた。

「そうですか。アンバー王子はお元気で?」

 何となくきっかけのように口に出たのはアンバーのことであった。もとより、目の前の男と自分の共通の話題が他に浮かぶとはとうに思えなかったのだ。

「さあ? この王宮にいたってめったに会いませんから。まぁ、あいつも焦っているのでしょう」

 シェロは何所か嘲笑うかの用にそう答えた。

 信じられないことをサラリと言ってのけたシェロの顔をホルダーはもう一度盗み見た。アンバーに似ていないというわけではないが、身体から滲み出ているような何所か我関せずといった冷たい雰囲気がアンバーとはまるで違うように見せているようだ。

「焦って?」

「ええ。第二王子といっても形ばかり。父の仕事を手伝っているのは私だけですから。今のうちに貴国のご機嫌でもとって取り入るつもりなのではありませんか?」

 クックと気味の悪い笑みを浮かべながら、ホルダーの目を見た。
 やはり好きにはなれそうにない。そもそもこの男、こんなことを自分にいってどうなると言うのだ。まるで――

「アンバー王子がアルデバランに入られるのが反対のようですね?」

「ほぅ……? いえ、私はそんなつもりで言ったんではありませんよ。私が言いたいことは唯――」

「結構ですよ。人の印象は自分の目で確かめることにしていますので」

 ホルダーはそう言うと続けて、

「早速ですが案内をお願いしたい。ご迷惑なのは重々承知しておりますが、こちらも仕事ですので」

 とニッコリと笑って見せた。

 シェロの顔から一瞬フッと笑みが消えたのが見えたが、ホルダーはあえて何も言わず、この現状視察は簡単に終わりそうにないということだけを心に留めていた。

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この記事のコメント

No.563
サボリ気味になる時もありますよね~
なんにでもマイペースで事を進められればと思います。ただ、マイペース過ぎると天然と呼ばれたり・・・しますけどねw
特にブログはレポートと違って提出期限なんて無いんですから^^
気長に次を待たせてもらいますb
2008-03-08 Sat 21:20 | URL | 火酒 #-[ 内容変更]

No.566
ひさびさですねえ^^*
なんか 中世とか こういった感じの世界観だと キャラが特有の口調になっちゃいますねw
書いててたのしいですよねぇ・・・w
2008-03-09 Sun 08:26 | URL | ヨヨ子 #-[ 内容変更]

火酒さんへ
そうなんですよ~^^;
ネタがないときはとことんないもので……逆に書けるときは凄く書けるんですけどねi-229
火酒さんは天然さんなんですかi-278
雪もよく天然とか言われますが、まぁマイペースに頑張りますw
レポートみたいにブログに提出期限があったら……恐ろしいですi-282

ヨヨ子さんへ
久々ですw
へんに特徴的な口調を書くのホント楽しいです^^
雪もヨヨ子さんの小説楽しみにしておりますi-278
2008-03-09 Sun 22:01 | URL | 小米雪 #2zzHlsOw[ 内容変更]

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