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ブルームーン

ここでは小米雪の普段の生活で気になるお話をエッセイ形式で書き記していきますw
No  40

風邪引き日和2

この記事は「風邪引き日和」の続きになります。


母は出来上がった卵入りのおじやを鍋から茶碗へと移すと、私の前にコトッと置いた。
「いただきます」
私はニヤリと笑うと、茶碗の前に座って箸を持つ。
きっと満足げな表情をしていたのだろう。母に、小さくため息を吐かれた。
そして、いつの間にか母は隣りの席へと座り、自分の茶碗にもおじやを入れ、食べ始めていた。
「うちに作ってくれたんやろ?」
「あんたが食べてたら、うちも食べたくなったんや」
よく分からない理屈ではあるが、よく考えると、昔から私がおじやを食べていると、いつも隣りで母が一緒に食べていたような気がする。
歳を追うごとに母との関係が少しずつ変わってきて、何でも報告していた小学生の頃とは違って、何時しか幾つもの隠し事が出来た。
でも、こうして私のためにおじやを作り、一緒に食べる姿は何時までも変わらないものなのだろう。
そう思うと、少しくすぐったいような気持ちになった。
「小さい頃、よく海苔の食べすぎで吐いたりしてたなー。海苔は消化悪いから」
母は私の知らぬうちにテーブルへと登場していた、味付け海苔を茶碗にのせて食べていた。
言われてみれば、思い出す。
風邪の時味覚が鈍くなるせいか味がしなくて、味の濃い味付け海苔を大量に食べていた。そして、対外気分が悪くなり吐き出してしまうのだ。
「今はもう大丈夫やわ」
私はそう言いながら母の海苔を一枚ぱくりと口に入れる。
この味も変わらないものの一つかな、なんとなくそう思う。
風邪になると人恋しくなる。
それは、人が小さな時に母親にかまってもらった思い出があるからなのかもしれない。
「次は何食べよかなー」
私が悪い笑みを浮かべながらそう言うと、母は、
「まだ何か食べるんかいな。そんだけ食欲あるんやったら心配せんでも大丈夫やな」
と言って二人分の茶碗を片付けた。
もうちょっとだけ、この風邪という時間を利用して、少しだけ小学生の頃に戻ったように甘えてみようかな、と母の背中を見ながら思った。
最近、ゆっくりと何かが変わっていくのを感じ、こうして風邪の時に母に世話をしてもらえるのも後少しのことなのかなと思うと寂しくなる。
だから、もう少しだけ、今日という風邪引き日和には我がままを言わせて欲しい。
たとえそれが面倒であっても。


風邪引き日和・完

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この記事のコメント

No.72 良いお母さんですね
なんか読んでてしみじみしちゃったよ。
凄い静かな空間で親子の会話があるんだろうなあって想像しちゃいました。
お母さんが風邪を引いたら優しくしてあげてくださいね!
2007-10-29 Mon 21:52 | URL | ミュジニー #-[ 内容変更]

No.74 ミュジニーさんへ
何気ない会話なんですけど、風邪引きの所為か色々と思い出してしまいました。
雪はこの歳になってやっと両親に感謝できるようになったんですよ。
いやー大人になったなぁ~(コラッ!)
母さんが風邪を引いた時は雪特性おじやでもw
それと、「お願いだから何もしないで!」と言われないように気をつけます(笑)
2007-10-29 Mon 22:47 | URL | 小米雪 #2zzHlsOw[ 内容変更]

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