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ここでは小米雪の普段の生活で気になるお話をエッセイ形式で書き記していきますw
No  407

新年最初の願い事

こんな日になって年賀状のイラストをやっと書き上げました^^;
間違いなく、元旦にはつきません。
毎年のことながら、行動が遅い自分に少し自己嫌悪です。orz
唯、サイトの方では1月1日の0時を迎えた段階で年賀状イラストを二枚UPする予定ですので、もし宜しければごらん下さいw

さてさて、本日は昨日の小説の続き(?)のつもりで書き上げたであろう小説です^^
書いたのがなにぶん昔なもので……詳しくは覚えてませんが、年明けの小説となっております。
今回は少しだけ早い正月の小説をお楽しみいただければ幸いです。

小米雪


『新年最初の願い事』

新しい年を迎えて、五日ほど経った。

 私は彼の横顔を見ながら、神社への階段を一歩一歩登る。

 一日ほどではないが神社は込み合っていて、私と彼はおまいりをしようと列へと並んだ。

「あなたと私が会ったのも今頃よね……」

 私は喋ろうとしない彼にそう言った。

「そうだな……」

 彼はそれだけ言うとまた口を噤んだ。

「私がお賽銭箱に財布ごと落としちゃって……」

 私は思い出しながら微笑んだ。

 

 ドンッ

「あっ!」

 お賽銭を出そうと財布を出した時だった。

 後ろから男の人がぶつかって来て、財布はものの見事に私の手を離れた。

「えっ! ちょっと待ってよ!」

 私は慌てて落ちた財布を取ろうとしたが、財布は賽銭箱へと着地。

 するすると賽銭箱の中へと入っていった。

 正月の神社は人通りが多く、財布がすられやすいだろうと思い、小さな小銭入れのみしか持ってこなかったのがあだになった。

 あの小さな小銭入れには帰りの電車賃だって入っている。

「……如何しよう」

 私は唯呆然と賽銭箱の前で立ちすくんだ。

「如何かしました?」

 私はその声で初めて辺りを見回した。

 私の後ろにはお参りをしようと並んでいる人たちの列が出来ていた。

「あっすみません!」

 私は慌てて列から立ち退いた。

「いえ、そうじゃなくて……何か困ってたんじゃないんですか?」

 よく見ると男の人は和服だった。

 男の人なのに珍しい。

「……大した事じゃないんです。ちょっとぼんやりしてしまいまして……」

「そうですか? でも、何か叫んでらしたみたいなんで……」

 私は顔が赤くなっていくのが分かった。

 自分では気付かないうちにそんなに大きな声を出していたんだろうか。

「ご心配かけてすみません。ちょっと……」

 私は言葉を濁した。

 恥ずかしさのあまり早くここを立ち去りたかったのだ。

「いえいえ、うちの親父にちょっと見てこいって言われただけですから。お気になさらないで下さい」

「お父様に?」

「はい。あっ、この神社はうちの家で管理してるんですよ。親父が神主って訳で」

 男の人はにっこりと笑ってそう言った。

「でも、何でもないなら余計なお世話でしたね。すみません貴重なお時間を……」

 私は去っていきそうな男の人の服を夢中で掴んだ。

  

「あの時は驚いたよ」

彼は笑いながらそう返事をした。

「必死だったのよ。あの財布がないと家に帰れないところだったんだから」

「でも、結局財布に五千円くらいしか入ってなかっただろ」

 彼はそう言うと、にやりと笑った。

「煩いわね。お参りして、ご飯食べて帰るだけなんだからそれくらいで十分よ!」

 私は少し顔を赤くして言い返した。

「なぁ、あの後俺が食事に誘ってなかったら、今ここに一緒に並んでる事なんてないだろうな」

「分からないわよ。あなたが誘わなかったら、私が誘ってたかもしれないでしょ?」

「そうなのか?」

「さあね……」

私は悪戯っぽく笑うと列を見た。

後三人くらいで自分の順番がまわってくるだろう。

「別に俺の家なんだから、並ばなくてもよかったのに……」

 彼は私の視線に気付いたかのように言った。

「こういうのは並んでお参りするから楽しいのよ」

 私はにっこりと笑いながらそう言った。

「なぁ、聞いていいか?」

「何?」

「あの時、何願うつもりだったんだ?」

 彼は前を向いたままそう言った。

 私は静かに目を瞑った。

「そんなの忘れちゃったわ……」

 私はそう呟いた。

 本当はちゃんと覚えてる。

 去年のクリスマスに男と別れて、今度こそはちゃんとした恋愛をしようって、気合を入れて祈りに来たんだから。

「嘘だ……」

「何が?」

「覚えてるんだろ? 顔見てれば分かるよ」

 私は彼の言葉に首を振って、

「いいのよ、願い事はもう叶ったんだから……」

 と言った。

 彼は静かに微笑む私の顔を不思議そうに眺めている。

「そんなこと忘れて、お参りしましょう」

 いつの間にか私達の順番がまわってきていた。

私は目の前に置かれた賽銭箱に勢いよく小銭を投げ込んだ。

 今年も彼と一緒にいられますように……

 それだけを願いながら。

 

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この記事のコメント

No.1302
まいど~
昔の初詣で思い出しました~
無料甘酒飲んだり、友人が鈴の綱を滅茶苦茶引っ張って大きな音立てたりしてね~

まぁ兎にも角にも、来年は初日の出見物の予定ですが、歌い初めや球投げ初めもあるかなぁ~真面目に初詣でも楽しいかもね~
ではまた
2008-12-28 Sun 23:45 | URL | ヒポユキ #-[ 内容変更]

No.1303 ヒポユキさんへ
まいど~^^
初詣は毎年特別なこともなく淡々と過ぎていく気がしますw
友達同士で行く初詣はは家族で行くのとはまた違うものがありますよね^^

本当に真面目に初詣も楽しいかも知れませんね^^
雪も受験生なので、今年はきちんとお参りしてこようと思ってますよ~w
ではでは
2008-12-30 Tue 00:58 | URL | 小米雪 #2zzHlsOw[ 内容変更]

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