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ここでは小米雪の普段の生活で気になるお話をエッセイ形式で書き記していきますw
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No  469

パンドラの甲

生きていけるから悩む病気もある。
もし、私の身体が緑色だったら?
誰も近寄ってこなくて、愛想笑いを覚えることはなかった。
もし、私が重病だったら?
生きて行くことに一生懸命で周りを気にする余裕はなかった。
生きていけるから、進まなきゃならないから……だから、辛い病気もあるんだ。

幼いころからのコンプレックスだった手足。
変なシミが出来ていて、自分でも見ることを拒んだ。
手足以外には何のとりえもない平々凡々な人間。それがまたよくなかったのかも知れない。
人と違う一部を持つことは日本では凄く生きて行きにくいもので、なまじ他が平均点な分、劣等感しか残らなかった。
親譲りのこの手足を母は凄く心配した。
「女の子なのに……」
そう言われるたびに、自分は何故男ではなかったのか、そうずれたことすら思ったほどだ。母は私を連れて皮膚科へのホスピタルショッピングを繰り返し、地元ではそこそこ大きな病院も回った。だが、その病院で言われる言葉や、医師が珍しいものを見るような眼に耐えきれなくなった私が病院を嫌いになった為か、何時しかそれも無くなった。
この皮膚疾患の話は家の中ではタブーとなり、母も私が良いのならと考えることを止めていた。
私としては気にしてない訳はない。幼稚園・小学校とそれなりに奇異の目にはさらされてきたし、男の子にはからかわれた。心ない言葉に傷ついていると思われるのが嫌で、気がつけばクラスの女ボスになれるほど気の強い女の子になっていた。
嫌な言葉を受けるたび、へらへらと笑った。
大丈夫です。私は全く気にしてないのです。そんなことは慣れっこです。
そう思いこみたいと思う私の頭と、今すぐにでも泣きだしたい私の心はこの時から少しだけ分裂していたのかもしれない。

ある日、一人の男の子が私の手を見て言った。
「大丈夫なの?」
あぁ、またいつもの言葉か。私はへらへらと緩んだ顔を見せようとした。
すると、男の子は私の手にそっと触れて、続けてこう言った。
「へぇー……見た目は変わってるのに、さらさらなんだね」
大抵の人間は気持ち悪いものに触れようとはしない。私の周りの子もそうであったし、私自身がその子たちなら触れたいとは思わなかっただろう。
彼の行動は、汚いとか気持ち悪いとかそういった感情とは違う、子ども独特の好奇心の様で、それでいて凄く優しかった。
たったそれだけの行為が、私の中では10年以上たった今でも覚えているほど嬉しかったのだ。
少し人と変わっている私に対して、普通に扱ってくれたこと。
それが何よりも嬉しかったのだ。

『パンドラの甲2』へ続く
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