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ここでは小米雪の普段の生活で気になるお話をエッセイ形式で書き記していきますw
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No  470

パンドラの甲2

パンドラの甲2

皆一緒が大好きなこの日本では、ほんの少しのことがメリットになりデメリットになる。
群れから外れるためには強くならなければならない。
但し、元々群れに入れないものは打たれ強くならねばならない。

「起きて!」
朝の目覚ましがなって肩をポンポンと叩かれる。
??そっか、この人の家に泊ってたんだっけ?
寝ぼけた頭で目の前の彼の顔をぼんやりと見る。
飲み会の帰りに酔っぱらってタクシーよりも安上がりと自分の彼氏を呼び出した。ブーブーと文句を言いながらも迎えに来る忠犬の様な姿が見たくて、わざと無理難題を吹っ掛けてみたりするのだ。
昨夜の出来事をぼんやりと思い出し、ついでに酔った勢いで行った行為も思い出す。
顔が熱くなるのが分かるが、酔っていた時の話だと割り切る。どうせ初めてじゃない。
一通り脳が動き出すと、人の額にずっと置かれているものが気になった。
取りあえず、額のものを両手でつかんで目の前に引っ張る。彼の口から「痛い!」の言葉が聞こえる。
うむ、男性にしては小さくて色白の手だ。それでも骨や指の節を見るとやはりごつごつとしているのが分かる。
シミ一つない綺麗な手。
その手を強引につかんでいる自分の手に、そっと目をやっては伏せた。
どうせなら綺麗なものだけ見ておこう。
「全裸で寝てたっけ?」
私は恥じらいもなくそう尋ねる。
「なっ! 気がついたら寝ちゃったみたい。気持ちよかったけど」
彼の付け足した最後の言葉が気に食わない……というより単純に恥ずかしくて、枕を投げつけてやった。
洋服を身につけて時計に目をやる。休日だから別にダラダラしていてもかまわないのだが、社会人になってから時計を見る習慣がついている所為かついつい動こうとしてしまう。損な性分だ。
「ご飯食べる?」
コクリと頷き、私より数段マメな彼氏がパンを焼いてくれている間に身支度を整える。
爆弾ヘアー(寝起きで毛量の多い私の頭が大変なことになっているのを彼がそう呼ぶ)を何とか直して、取りあえず見せられる程度にはなった。
軽くお辞儀をしてモグモグと勝手に食べ始める。
「お前は野良猫か!」
怒りながらもコップにコーヒーを入れてくれるから、この人は良い人だ。
そんなことを考えながらコーヒーにも手を伸ばす。
その手が彼の視線の中に入るが、彼はいつも通り何も言わない。
これほど目に付くものについて、尋ねられたこともなければ、握ることをためらうこともなかった。
握りながらじっと見られたことはあるので、気が付いていないわけではもちろんないだろう。

そんな彼を、愛していると感じる。そして、愛されているとも感じる。
それ故に、口を開くことが別れにつながる気がして、胸の中のもやもやには触れようとしなかった。

さて今日の予定だ。
私は再び時計を見ると、彼にお礼を言い、その場を後にした。

パンドラの甲3へ続く


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