キーワード出現率
ブルームーン 私でいい。私がいい。

ブルームーン

ここでは小米雪の普段の生活で気になるお話をエッセイ形式で書き記していきますw
No 

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

別窓 | スポンサー広告
∧top | under∨
No  538

私でいい。私がいい。

たった一文字の違いが、恋愛においては重大だったりする。
昔の憧れの男性と再びデートに行ってきた。

3年前自分が始めた勢いの恋は若さの象徴だったと、今ならわかる。
変に重ねてしまった年齢と経験は人に勢いを失わせる。
デート中、隣で歩く彼に色々と考える。
この返事はどうなんだろう? こういう男性は付き合っても大丈夫なのかな? これって大事にしてくれるの? 重いって思われない?
3年前の自分はそこまで考える余裕なんてなかった。
余裕というのか、見なければ行けない場所が分かってしまった分、幸せになりたい意識が強すぎて、気持ちにセーブをかける。
胸に飛び込んでいくことも、隣を歩いていて時折ぶつかる手を取ることもできない。
「仮に君を好きになって――」そう話す雪の言葉を遮って、「今は好きじゃないの?」そう返ってくる返事。
試されているような、見透かされているような返事に一瞬のうちに頭が働く。
「さあ? あなた次第じゃない?」
失笑とともに返した言葉は何にも可愛くなかった。訝しげな表情の彼に続ける。
「私のこと好きじゃない人に自分を背負わせるのは重いってわかってるよ……」
「触れたり、楽しいとか思ったら好きになっちゃうでしょ? だから、君が私のこと好きになってくれるなら、そうする……」
ぼそぼそとそう話す私に、隣でふっと吹き出す音が聞こえる。
「好きになってもいいよ」
そう言うが早いか、不意に肩を抱き寄せられた。
人ごみのど真ん中で、大きな上着の中に一瞬だけ閉じ込められる。
肺に入ってくる香水を含んだ空気は頭をくらっとさせた。
笑ながら怒りながら、何とか解放してもらう。
人ごみでなければしゃがみ込んでしまいそうな衝撃に、アルコールのせいか、はたまた別の要因か、心拍が上がる。
「好きは好きだよ。いつでも……。ただ、自分が信用できないから」
何とか落ち着かせて、気持ちを伝える。
「好きだと思ってるけど、好きじゃないかもって?」
少し的外れな返答に、伝え方を考える。
「別れてから、まだ一か月しか経ってないの。寂しいし、ひと肌恋しいし、恋人が欲しいだけかもしれない。でも、君は君として向き合いたいし、好きになるなら妥協とかクッション代わりじゃなくて、ちゃんと好きだって思いたい。じゃないと、もったいないよ……」
私が他の誰かに恋した時代を知っている男性。どれだけ好きだったか知っている男性。それが自分の気持ちを少し冷静にさせる。
「俺からは言えないから。見極めるのは君だと思う。ちゃんと見て、俺にどんなラベルを張るかは君次第だから。逃げないし、どこにもいかないよ」
そういって胸の前に手を広げられる。ウエルカムのポーズなのか、嬉しい反面、軽いなぁーと頭に浮かんだ。
抱きつくこともなく、唯となりを見る。
「君と付き合うと、ヒールを履けることは利点だね」
私でいいと思ってくれているのが分かる。多分、私も彼でいいとは思っているのだろう。
でも、もう少しだけ私のことで頭をいっぱいにしてほしい。
私がいいと言わせてみせる。私も彼がいい。彼じゃなきゃダメだときっと思えるだろうから。
アルコールでぼんやりとした頭でそう思った。
スポンサーサイト

別窓 | 小噺 | コメント:0 | トラックバック:0
∧top | under∨
<<変化 | ブルームーン | 気持ちの本質>>

この記事のコメント

∧top | under∨
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック

∧top | under∨
| ブルームーン |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。