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ブルームーン 居場所を探して 6
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ブルームーン

ここでは小米雪の普段の生活で気になるお話をエッセイ形式で書き記していきますw
No  58

居場所を探して 6

この記事は「居場所を探して     」の続きになります。


さて、謎のおばさんに連れられて、家出少女の集う家へと招かれた雪だが、実際他人、それも初対面の人の家に上がりこんで安心できる訳も無く、唯部屋の隅で膝を抱えた。
そんな雪を面白そうに見ているのは、三人の少女の中でも一際明るい金色の髪をした子で、雪に向かって、
「なぁなぁ、何で家出したん?」
と猫のような目で見つめながら尋ねてきた。
「あー……」
何で、と問われると、上手く答えれない。自分でも何故ここにいるのか分かっていないのだから。
「なんとなく、どっか行きたかったから」
雪は考えたあげくそれだけ伝えた。
「ふーん。つまらんな」
その子はそう言うと、雪の顔をもう一度まじまじ見た。
つまらない。確かにそうかもしれない。なんとなく何処かへ行きたかったなんて抽象的な理由で、色んな人に迷惑をかけて、本当に自分はつまらないやつかもしれない。
「うちはな、一人になりたかってん」
その子はいつの間にか雪の横に座ると、聞いてもいないのにそう言った。
「うちもつまらんやろ?」
その子はそう言って笑う。
本当はつまらない理由なんかではないのだろう。
雪もそうだが、本人は思いつめて、思いつめて、何時しか考えが自分で抱えられる量を超えて……そして、飛び出した。唯、横でハハハッと笑う少女に雪は「うん」とだけ返事を返した。
そうしているうちに、先ほどのおばさんが雪の方へ来て、「ちょっと」と言った。
内心ビクビクしながら、雪はおばさんへとついていった。
おばさんは台所の椅子を引くと、座るように目で合図した。
テーブルにはお茶碗に入ったお茶漬けが一杯。
「食べへん?」
おばさんはお茶漬けに目が釘付けの雪に面白そうにそう言った。
正直、凄く迷った。完全にこの人を信用した訳ではないし、初対面の人間にここまで優しくしてくれる人がいるのだろうか。何か入ってるんではなかろうか。
でも、人間の三大欲求には勝てず、結局こくりと頷き割り箸を割ってお茶漬けを流し込んだ。
私は食べ始めて、お腹が空いていたことに気がついた。
「あんた、どこからきたん?」
おばさんは少しずつ尋ねた。
私は言葉を選びながら少しずつ答える。
何かあった時に確信には近づけないような答え方を繰り返す。
おばさんはそれを感じ取ったのか、
「そんな警戒せんでもええのに。野良猫みたいな子やな」
と笑った。
「でも、身なりとか見てると、野良猫っていうより飼い猫やな、あんたは。……今日はどこでも好きなところで寝ていいよ。朝になったら家帰り」
おばさんはそう言うと、私の食べ終わったお茶碗を片付けた。
「……ありがとうございます」
私はその時初めてこのおばさんにお礼を言った。
おばさんはこくりと頷き、茶碗を洗ってくれた。
時間はもう十二時を回っていて、私はさっきまでいた部屋の隅っこで横にならせてもらうことに決めた。


一泊二日のことなのに……長い!!
すみません、まだ続きます!
「居場所を探して 7」へ続く

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この記事のコメント

No.128 随分とドラマチックやね
まあ中学生が夜遅く歩いてて
そこら辺をき警官や学校の先生が巡回してるのはまあ悪くはないけどね。
しかし、良くついて行ったねえ...
俺は空腹に耐えきれず家に帰ったけどね(汗)
根性が無いんでね...(笑)
2007-11-12 Mon 21:14 | URL | ミュジニー #-[ 内容変更]

No.129 ミュジニーさんへ
田舎だったんで、危ないから見回りしてたんですかね?
今もその駅が学校の通学路(?)でして、電車の窓から見えるたびに田舎だなぁ~と思ってます。

ついていったっていうよりも、手を離してもらえなかったので連れられていったって感じです^^;
手を引っぱられている間、逃げ出す機会をあれほど真剣に探したのって人生で初めてかもしれませんi-230
なんとなく、家に帰る気にはならなかったんですよ。中学生のガキなりの意地があったんでしょうね^^;

2007-11-12 Mon 21:56 | URL | 小米雪 #2zzHlsOw[ 内容変更]

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