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ブルームーン 学ランと私 4
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ブルームーン

ここでは小米雪の普段の生活で気になるお話をエッセイ形式で書き記していきますw
No  77

学ランと私 4

この記事は「学ランと私」   の続きになります。

彼にケーキを渡した翌日、雪は耐寒学習という名の遠足に来ていた。
この手の遠足にはつきものである山登り、飯盒炊爨というルートをだどったのだが、事件は飯盒炊爨の時に起こった。
いや、事件というほどたいしたものではないのだが、その時の雪にはかなりの衝撃を受ける出来事で会った。
雪はカレーを作った後の鍋をゴシゴシとそれはそれは力を入れて洗っていたのだが、その時隣りに同じように鍋を持って彼がやってきたのだ。
お互いになんとなく照れくさいのか、流れる空気は微妙なものへとなっていた。
雪は訪れた沈黙に耐えられず、唯へらへらと笑いながら鍋を洗うという傍から見れば奇妙な少女になっていただろう。
その沈黙を先に破ってくれたのは彼だった。
「なぁ」
雪は呼びかけられて、少しビクつきながらもへらへらと返事をした。
「お前なー昨日のケーキ甘かったわ……」
彼はポツリポツリと話し始めた。
雪はケーキの話題になったことが照れくさく、また食べてくれたことが嬉しくて顔が熱くなって行くのが分かった。 「アハハハー、ごめんごめん、甘かったー?」
へらへらしている上に顔が真っ赤だったが、何とか返事を返した。
「ホンマに甘かったわ。ジュース何杯飲んだと思ってんねん」
彼はそう言うと、何時しか洗い終えた鍋を持って雪の横を通って行った。
そこまではよかったのだ、食べてくれて嬉しかったなぁーとここまでならば顔が赤くなるだけで終われたのだ。
しかし、そこで彼は二、三歩進んだところで足を止めて、
「まぁ、美味かったけどな……」
と小声で爆弾を残してくれたのだ。
その言葉を聞いた雪の顔が更に熱くなったのは言うまでもなく、逆に出来すぎたシュチュエーションになんだこの少女漫画な展開は! と意味の分からないツッコミでも入れてしまいそうになった。
その後、無事(?)鍋を洗い終え、友達の下に帰った雪が、
「雪、そんなに水冷たかったん? 耳まで真っ赤やで?」
と言われ、アハハハーと返事にならない返事を返したのを覚えている。
残念ながら、その時雪が鍋を洗うのに使っていたのはお湯であった……。
この事件をきっかけに雪は更に彼のことを意識するようになるのだが、結局この気持ちは卒業を迎える時まで告げられることは無かった。
というのも、少し悲しい出来事が卒業式前に起こったのである。

「学ランと私 5」へ続く

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